病院・医療法人の事業承継と再生 本文へジャンプ

病院・医療法人の事業承継と再生
(事業再生ADR等の私的整理・法的整理)


出資持分の譲渡・社員及び役員の交代

医療法人の出資持分を事業承継先に譲渡し、社員及び役員を入れ替えることで、事業承継を行うことができます。
但し、医療法人の社員は個人に限られるため、事業承継先の属性には留意が必要です。

事業譲渡
現在の病院又は診療所の事業を、他の医療法人等の開設者に譲渡することで、病院等の事業承継を行うことができます。手続としては、事業再生ADR等の私的整理のほか、法的整理の中でも事業譲渡は可能です。
但し、事業承継先は、新たに病院又は診療所を開設することになるため、開設許可、病床規制には留意が必要です。

私的整理(事業再生ADRを含む)
医療法人等の経営が逼迫している場合、借入を受けている金融機関に対し、返済期限の猶予又は免除等の申し入れを行うことができます。手続としては、事業再生ADR等の手続のほか、純粋なバンクミーティングも考えられます。その際、経営が逼迫した原因、これからの経営方針等を説明した事業計画を示すことが必要になります。私的整理は法的整理とは異なり、裁判所は関与しません。

破産・民事再生
私的整理によっても、病院又は診療所の経営状態が改善しない場合、破産・民事再生という法的手続をとることが可能です。
特に民事再生の場合には、債権者の一定の同意を得られれば、現状の医療法人等の病院事業の存続を図ることも可能です。もちろん、医療法人等が事業再生ADR等の私的整理を検討したうえで、民事再生を選択することも可能です。

大西綜合法律事務所
http://oonishisougou.com/

※事業再生ADR手続とは
(以下、共著(下記部分は拙著)『倒産手続選択ハンドブック改訂版』につき一部改変)
(1)事業再生ADR手続は、事業再生を目的とした裁判外の紛争解決手続で、要件を満たせば、医療法人も対象債務者となり得ます。
(2)純粋な私的整理手続においては、債務者が直接債権者との間で任意交渉を行うことによって、債権者から債務の減免や期限の猶予に関する同意を取得することを目指すことなりますが、事業再生ADR手続においては、裁判所は関与しないものの、法令に基づき、中立公正な第三者である認証紛争解決事業者たる事業再生実務家協会が関与し、債務者及び債権者の間を調整することによって、債務の減免や期限の猶予等を含む事業再生計画の成立を目指すことになります。
(3)事業再生ADR手続の特徴(医療法人を含む)
 同手続における固有の特徴としては、特に次の3つが挙げられます。医療法人でも同様です。
@手続実施者の関与
 同手続には、中立かつ公正な事業再生の専門家である弁護士、公認会計士等が手続実施者として関与し、債務者の事業再生計画案について、公正かつ妥当で経済的合理性を有するものであるかについて意見を述べることになります。
 したがって、純粋な私的整理手続きに比べて、信頼性が担保された手続といえ、対象債権者の理解を得やすいと言えます。
Aメイン寄せを強いられにくい手続
 同手続では、「手続の主宰者があくまで利害関係を持たない事業再生ADR事業者であるため、主要金融債権者も他の債権者と同列で手続に臨むことができ、手続面からメイン寄せを強いられ」(事業再生実務家協会等編『事業再生ADRの実践』35頁)にくいといえます。
BプレDIPファイナンスの優先性に関する規定
 債務者が同手続中に融資を受けることを希望する場合、貸主としては、事業再生ADR手続が頓挫して法的整理手続に移行した場合に、当該融資にかかる貸付金を優先的に回収できるか否かが専らの関心事となりますが、この点について、一定の要件を満たした場合には、プレDIPファイナンスに係る借入と他の再生債権等との間で権利変更の内容に差を設ける再生計画案等が許容され得ます。

なお、手続に要する費用等については、事案によって異なります。

以上をご覧になり、医療法人における私的整理・法的整理等をご検討の方は当事務所までご相談下さい。
                      
                                          
空白空白空白空白
空白空白空白空白
空白空白空白空白